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M&A 税理士

M&Aにおける税理士の役割とは?流れも解説

企業の合併や買収によって経営権を移転させる取引のことを、M&Aといいます。
M&Aは、事業拡大や後継者問題解決の手段として積極的に活用されています。
今回は、M&Aが行われる流れや、その中で税理士が担う役割について解説します。

M&Aを行う流れ

M&Aの最初の段階として、経営方針に基づいて買収や売却の目的を明確にし、対象となる事業の範囲や予算を策定します。
次に行うのが、相手先の選定と打診です。
候補となる企業をリストアップし、関心を示した相手と秘密保持契約を結ぶことで具体的な情報のやり取りを開始します。
その後、意向表明と基本合意の段階に進みます。
買収価格や条件を提示し、双方が合意した内容を基本合意書にまとめることが一般的です。
買い手側は対象企業の実態を精密に調査し、その結果に基づき条件の最終調整を行います。
譲渡契約がなされたら株式や事業の譲渡を実行し、対価の支払いを完了させることで経営権が移転されます。

M&Aにおける税理士の役割

税理士は、M&Aを円滑に進めるために重要な役割を担います。
具体的にM&Aにおいて税理士が行うこととして、以下が挙げられます。

最適な手法の選択

M&Aには、株式譲渡、事業譲渡、会社分割、合併、株式交換などといった多くの手法が存在します。
手法によって課せられる税金の種類や金額が変化するため、自社に合った手法を選択することが重要です。
税理士はそれぞれの手法における税負担を試算し、依頼者の利益が最も大きくなる手法を検討します。
また、組織再編税制の適格要件を満たすかどうかの判定も税理士が担う役割です。
適格であると判定されれば、M&Aにおける資産移転時の税負担を抑えられます。
この判定基準は複雑であり、解釈を誤ると追徴課税を招くおそれがあるため、税理士による精緻な分析が求められます。

税務デューデリジェンス

M&Aにおいて、買い手はデューデリジェンス(買収監査)に注力します。
この中で税理士が担当する税務デューデリジェンスとは、対象の会社が過去に行った税務申告が適切であったかを確認し、潜在的な税務リスクを洗い出す作業です。
具体的には、過去3年から5年程度の申告書や総勘定元帳を精査し、以下のような項目を確認します。

  • 収益の計上時期や経費の妥当性
  • 役員報酬や退職金の算定根拠
  • 関係会社間取引における寄附金認定のリスク
  • 消費税の区分経理の正確性
  • 源泉所得税の徴収漏れ

重大な申告漏れが発覚して買収後に税務署から指摘を受けた場合、買い手が追徴課税分を負担することになりかねません。
税理士は税務デューデリジェンスによって発覚したリスクを金額として見積もり、買収価格の引き下げ交渉や契約書における補償条項の策定に反映させます。

企業価値評価

M&Aの価格交渉で基準となる企業価値評価において、税務の視点は欠かせません。
企業価値評価とは、企業が将来生み出す収益力や保有資産をもとに企業全体の経済的価値を金額として算出することです。
貸借対照表上の資産や負債について税務上の評価額と会計上の帳簿価額に乖離がある場合、税理士は税効果会計を適用した調整を施すことでより実態に即した純資産額を導き出し、精度の高い算定を行います。
また、税理士が買収後の利益予測をすることで、過大な買収価格となることを防ぐ効果も期待できます。

M&A契約書における税務条項の検討

取引の最終合意となる譲渡契約書の作成時には、税理士が法務担当者と連携して税務に関する条項を確認します。
この際に特に重要となるのが、表明保証と税務補償の条項です。
表明保証とは、譲渡側が「過去の税務申告に誤りがないこと」を買い手に対して保証することです。
これにより、買収後に申告漏れが判明した場合、買い手は譲渡側に対して損害賠償を請求できるようになります。
税理士による専門的な精査は、後のトラブルを防止するために重要な役割を果たします。

統合後の税務業務

M&Aの実行完了後も税理士が引き続きサポートを行います。
複数の組織を統合する際には、迅速な税務体制の整備が必要です。
さらに、買収に伴う会計処理と税務処理の調整、確定申告書の作成、税務当局への届出など、実務的な業務も多く発生します。
税理士に依頼することで、業務負担の軽減や円滑な統合が期待できます。

まとめ

今回は、M&Aを実行する流れと、その際に税理士が担う役割について解説しました。
税理士は取引が依頼者にとって最大限有益となるように尽力します。
M&Aを行う際には、税理士に相談することを検討してみてください。